結論
補助金は「使いたい時期」ではなく「公募のある時期」にしか申請できません。しかも採択の発表までに3〜5か月、そこから交付決定を経てようやく発注です。投資の1年前に相談を始めるのが、いちばん確実です。
ご相談でいちばん多いのが「来月この機械を入れるので、補助金を使えませんか」というお問い合わせです。残念ながら、その時点でできることはほとんどありません。理由は、制度の仕組みそのものにあります。
公募から入金まで、実際にどれくらいかかるのか
2026年9月20日時点で公表されている、主な制度のスケジュールを並べてみます。
| 制度 | 直近の公募 | 締切 | 採択発表 |
|---|---|---|---|
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 第8回:2026年8月18日 公募開始 | 2026年10月16日 17:00 | 2027年2月上旬(予定) |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 第1回:2026年6月29日 公募開始 | 2026年9月30日/10月30日 18:00 | 未公表 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 3次:2026年8月20日 公募要領公開 | 2026年10月29日 | 未公表 |
| 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) | 第20回:2026年5月27日 公募要領公開 | 2026年12月15日 17:00 | 未公表 |
| 省エネ・非化石転換補助金 | 3次:2026年8月20日〜 | 2026年9月28日 | 未公表 |
省力化投資補助金を例にとると、締切が10月16日で、採択発表は翌年2月上旬です。申請してから約4か月、結果が出ません。そのうえ採択されただけでは発注できず、交付申請を出して交付決定を受ける必要があります。ここまでで半年近くかかることもあります。
なぜ「交付決定の前に発注」してはいけないのか
補助金には、原則として交付決定の前に発注・契約した経費は対象外というルールがあります。採択の通知が届いて安心し、そのまま発注してしまうと、補助の対象から外れます。あとから交渉して覆るものではありません。
「納期が半年先だから、いま発注しないと間に合わない」という事情はよく分かります。だからこそ、発注の時期から逆算して、どの公募回に出すかを決める必要があります。
1年前から始めると、何ができるようになるか
- 公募の回を選べる。締切間際の回に無理に出さず、次の回で準備を整えて出せます
- 制度を選べる。省力化・省エネ・新事業進出のどれが合うかを、投資の中身から選べます
- 税制の優遇と組み合わせられる。経営力向上計画の認定は、設備の取得前に受ける必要があります
- 要件に合わせて計画を整えられる。賃上げ要件や省エネ率の要件は、あとから変えられません
- 資金繰りを準備できる。補助金は後払いなので、先に全額を支払える状態が要ります
いつ、何を相談すればよいか
「再来年に工場を建てたい」「そろそろラインを入れ替えたい」という段階で構いません。金額も型式も決まっていなくて大丈夫です。むしろ決まる前のほうが、制度に合わせた組み立てができます。
当事務所では、投資計画をうかがったうえで1年目・2年目・3年目に狙う制度をロードマップにして、公募が出たタイミングでこちらからご連絡しています。着手金をいただいていないのは、この待ち時間があるためです。
関連ページ:伴走型サポート/補助金と税制/公募中の補助金一覧(毎日更新)
出典
- スケジュール(中小企業省力化投資補助金 一般型・中小機構)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小機構)
- 「中小企業成長加速化補助金」(3次公募)の公募要領を公開しました(中小企業庁)
- 商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局
- 省エネ・非化石転換補助金 2026年版特設サイト(SII)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。